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1987 年度 実績報告書

士族反乱の研究-その心性と社会的背景-

研究課題

研究課題/領域番号 62510169
研究機関京都大学

研究代表者

佐々木 克  京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30115852)

キーワード士族 / 反乱 / 心性 / 社会
研究概要

本研究であつかう士族反乱は, (1)佐賀の乱, (2)熊本神風連の乱, (3)秋月の乱, (4)萩の乱, (5)西南戦争, 以上5件の士族反乱である. 本研究で意図するところは, 上記士族反乱を個別に分析研究するのではなく, 士族が何故に如何なる社会的背景・歴史的条件のもとで, 何のために蜂起したのか, そしてその時の士族の心性はどの様なものであったのか, ということを<士族反乱>という総体としてのワクの中で考え, かつ明らかにして行こうというものである.
そこで本年度は, まず(イ)士族反乱が何故に起ったのか, 特に政府との関係はどうであったのか, (ロ)反乱士族が, どの様にかつ何故に蜂起して行ったのか, 以上二つの問題について解明することを目標に研究を進めた. その結果以下の点を明らかにしえたと考えている. 要点のみを述べておきたい.
1.(イ)の点について. とりあえず政府側の問題を述べておくが, 佐賀の乱, 萩の乱, 西南戦争の3件に関する限り, 政府は士族の蜂起を予測しており, むしろ反乱をさそう様な挑発的行為さえ見られる. この政府の態度はおそらく, 全体としての士族層の保持の為に, 不良分子を部分的・局地的に排除して行こうとする, 政府の基本的姿勢から生じたものと考えられる.
2.(ロ)の点について. 西南戦争の反乱士族の口供書(上申書)の分析にとどまるが, その限りでは, (1)西郷隆盛を信頼し, (2)私学校関係者(戸長等)によって組織化されて蜂起参加するが, (3)戦争期間に於る西郷の動向に関してはきわめて不鮮明な供述しかない, という特徴が見出せる. リーダーの問題に関して, 他の反乱とは違った面があるように思われる.
今後の研究であるが, 他の反乱に於る士族の口供書の分析と, 反乱地域の社会的背景の分析を二つの柱とし, 総体としての士族反乱を把握し解明することに努力したい.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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