62年〜62年度に調査収集した広島大学「浦文庫」の中国瀋陽所在碑文拓本(元碑文は現在破壊され調査不可能)、写本『奏疏稿』(瀋陽故宮所蔵の原本は現在所在不明)、第一歴史〓案館所蔵「満漢文旗人家譜」(マイクロフィルム)、『明清〓案』所収の「順治朝〓案」の整理と解読を中心に、入関前から順治初年に及ぶ史料の編年史的な流れの総合的把握を行った。これらの基礎となる史料には『舊満州〓』があるが、清初史料の編年史的研究の基礎的な作業として『舊満州〓』を軸に『大清三朝実録』と『満文老〓』とを相互比較、検討しながら、『舊満州〓』の各葉を分析して、『舊満州〓』・満文老〓対象表「太祖朝」』をほぼ完成させた。これは既に検討して公表した『舊満州〓・満文老〓対象表「太宗朝」』に続くものであり、平成2年度中に公表する予定である。 又、清初史料の検討には欠かせない満文公用語の研究を、長崎図書館所蔵『清文鑑和解』、『飜譯満語纂編』を各種満漢辞書と照合しながら語彙の整理を進めた。 以上の諸史料の整理、分析は今後の各種共同研究に備えるために作業結果を中心にデ-タベ-スした。
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