資料の収集は、福島県半田銀山など東北地方の諸鉱山、山梨県中山金山、長野県金沢金山など中部地方の諸鉱山に対して行い、遺存する石臼類の観察、写真撮影、実測図の製作を行った。また昨年度以来作成した実測図の整理、清書を進めた。 本年度はとくに石臼類の分類と変遷過程の解明に努力した結果、それが大きく8類に分類され、ひとつの機能的発展に対応するものとしてとらえられた。ここに明らかになった石臼類の出現と改良の過程は、従来強調されてきた海外からの技術の移入という見方とは逆に、戦国時代鉱山技術の独自発生と、以後の自律的な発達という方面性を示すものである。
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