研究概要 |
中世英国韻文ロマンスのノンサイクルものの主要な作品のコンコーダンス編纂計画は、62年度における科学研究費補助金の交付によってスタートしたが、今年度も引き続いてロマンス関係図書を若干購入することができ、編纂に大いに役立った。また謝金を出せることでテキストのコンピューター入力・校正に学部生、院生の協力を得ることができ、編纂が促進された。 本年度は、King Edvard and the Shepherd,Chevelere Assigne,Octavian,Sir Amadace,Sir Degrevantの5篇のコンコーダンス編纂を予定していたが、最後の2作品にテキスト上の難点が見つかり、Sir Iumbrasに替え、計4作品の編纂を完了した。 各作品のコンコーダンスは、KWIC Concordance,word index,ranking froqueucy list,reverse word listより構成され、作品研究に便利な道具になるように工夫した。韻文ロマンスでは脚韻が重要な働きをしており、これまでrhyme word listを編纂してきたが、さらに今年度は2行連句(couplet)に対するrhyme indexのプログラムを試作し、その成果を紀要に発表した。今後さらに改良してコンコーダンスの一部に組み込むつもりである。 この間、編纂計画の第一段階で完了した「イギリスもの」「ブレトン短詩」のコンコーダンス(2巻)がフランクフルトの出版社から刊行され、我々の編纂計画も世界的に認められ、喜ばしい限りである。 今後の計画については、3年計画で「フランスもの」の主要作品のコンコーダンス編纂計画を立て、科学研究費補助金を申請中である。
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