研究概要 |
まず, 京都府の農業, 漁業および生協の各連合会の専務理事クラスで〓〓く中小企業団体中央会の幹部を中心メンバーとする『協同組合事典を読む会(家の光協会編)』に参加し, 各種協同組合の実際上の運営上の問題点につき, 多くの知見を得た. ついで, 解釈論的側面を支える判例については, 四種の協同組合法をめぐる判決の数において, 中小企業等協同組合法に関するものが圧倒的に多く, それに農業協同組合法と水産業協同組合法に関するものが続いている. そして消費生活協同組合法に関するものはほんの僅かしか存在しない. さらにこれらの判決を取り扱った研究者の姿勢(判例研究)は, 中小企業等協同組合においては, 商〓特に会社法の解釈論ないし思考の延長線上において解釈を試みている者が多いが, これ以外の協同組合法においては, 民法上の公益法人論に立脚している様に思える. かくて, 四種の協同組合法のアプローチにおいても, 二極分解して考察を進めるが, それとも両者の共通項を求め, その上での相対的特異性を明らかにしていくか, いずれかについて更につっ込んだ考察が必要となろう. 特に, 後者が立つとそれは, その共通点として何を推定するか, も問題となる.
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