研究概要 |
(1) 理論モデルの再生(I)-市場の存否を決める2要因, すなわち市場への参加から得られる便益と, 市場コスト・取引コストを表現・説明するための理論モデルを作成した. 前者については, すでに国際経済論の分野で作られている「貿易の利益」(一般的には市場形成から得られる利益)のモデルを使用し, また, 後者については, 情報理論を援用する取引コスト説明のフレームワークを使った. (2) 新しく形成された取引市場の調査-新しく形成された市場のうち, 下記について, 制度の概略, 当該市場の運営期間の行動原理, 市場への参加者の概要とその行動原理, 市場への参加費(参加料・会費・他の取引費用など)について調査し, 関連統計データを収集した. -Chicago Board of Trade(米), Chiago Mercantile Exchange(米), London Stock Exchange(英), 債権先物市場(東京). (3) 新たに得られた知見-上記については, 市場運営期間への直接の調査(インタビュー)をおこない, これらの市場の形成を可能にした新しい情報技術の採用, 市場運営・維持費用の低下などについてその実態を調査した. 市場の運営・維持費用の低下などについてその実態を調査した. 市場の運営機構・実体などについは, 実地調査より詳しい知識が得られたが, 統計資料については,新聞等に公表されている価格・取引高データ, 取引所会員への報告等を除いて, 資料が存在しないことがわかった. しかしながら, 本研究の実証分析に必要な市場参加費データは入手できた. (4)予算の使用状況等-(a)設備についは, 交付額に合わせるためパーソナルコンピュータの新規購入を中止し, 校費による既設分の補充を周辺機器購入によって実施した. (b)実地調査に必要な外国旅費は別途用意した.
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