(A)下記の研究の論文等への取りまとめをおこなった: (1)理論モデルの作成ーー市場の存否を決める2要因、すなわち市場への参加から得られる便益と、市場コスト・取引コストを表現・説明するための理論モデルを作成した。 (2)新しく形成された取引市場の調査ーー新しく形成された市場のうち、下記について、制度の概略、当該市場の運営機関の行動原理、市場への参加者の概要とその行動原理、市場への参加費について調査し、関連統計データを収集した。ーーChicago Board of Trade(米)、Chicago Mercantile Exchange(米)、London Stock Exchange(英)、債券・株式先物市場(東京、大阪)。 (3)新たに得られた知見ーー上記については、市場運営機関への直接の調査(インタビュー)をおこない、これらの市場の形成を可能にした新しい情報技術の採用、市場運営・維持費用の低下などについてその実態を調査した。 (B)予算の使用状況等ーー(a)設備については、交付額に合わせるためパーソナルコンピュータの新規購入を中止し、校費による既設分の補充を周辺機器購入によって実施した。(b)62年度分予算は研究とりまとめ(謝金・旅費)に使用した。(c)実地調査に必要な外国旅費は別途用意した。 (C)今後の研究予定ーー本研究においては、主として株式・債券先物市場などの「集中された市場・組織された市場」への新しい情報技術の影響を研究した。今後においては、未組織・非定型の市場取引(店舗使用のもの、VAN使用の卸売、消費者による電子取引)などにおける影響を考察する予定である。
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