イギリス産業革命期のフェミニズム思想の展開に焦点を定め"労働の権利と労働の平等と、労働の成果の平等な分配を実現しようとしたW・トムスンの協同組合論の分伏を行い、これと対照してオーエン主義の研究を行い、同時にイギリス労働史におけるセクシズムの問題を、アイルランド労働者にたいするレイシズムとの関係で、主としてメカニックス・インスティテュート運動に探ることを当初の目標とした。 研究の進行と実績は以下の通りである。 (1)オーエン主義の基礎資料を整理し、オーエン研究を、女性労働と協同組合の観点から再検討した。(論文「イギリス社会主義をめぐる二つのオルタナティヴ」として発表した)。 (2)イギリスにおけるアイルランド問題とイギリス労働者にとってアイルランド問題とは何かという問題を、労働者階級にみられるレイシズムとセクシズムという観点から、再検討した。(書評「松尾太郎『アイルランドと日本』」として、再検討の視点をめぐる問題を明らかにし、発表した)。 (3)フェミニズムとセクシズムの問題を検討する理論的枠組の問題を検討し、その検討の成果を公表する準備をしている(論文「フェミニズムと『家族イデオロギー』の展開」として公表の予定)。 (4)イギリスのマンチェスターにあるフロウ夫妻のコレクションの整理と分伏は昨年度からひきつづき作業中である。 (5)昨年にひきつづき、イギリスを中心としたフェミニズム関係の文献の蒐集、文献解題目録の作成を行った(『名古屋市立女子短期大学女性問題資料室所蔵文献解題目録補遺』)。
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