研究課題/領域番号 |
62530038
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
林 堅太郎 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40066741)
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研究分担者 |
田井 修司 立命館大学, 経営学部, 教授 (70140118)
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キーワード | 社会的生産性 / ネットワ-キング / 情報化社会 / プライバタイゼ-ション / 協同性 / 社会的費用 / 再活性化 / リストラクチュアリング |
研究概要 |
社会的生産性に関する実証的・理論的分析の最終年度として、補足調査としての地域分析をおこなうとともに社会的生産性指標分析の三ケ年研究のまとめをおこない、それを成果報告書として作成することが課題となった。 補足調査は、都市型と農村型のモデル設定が目標であったが、これをおこなうだけの余裕を持てず、結果的には資料収集などに留まった。成果報告書としては、三ケ年研究のまとめとして、林堅太郎が分担したイギリスにおける産業政策に関する実証的理論的検討の結果を提出することになった。それは、『プライバタイゼ-ション-イギリス産業社会の再生戦略-』として1990年3月に出版される予定である。 上記の状況であったがために、三ケ年研究としても、当初の設定からすると、いくつかの不十分点を残すとともに、当初に予定していなかった、あらたな研究課題も浮かび上がってきた。これらの諸点を整理し、次年度以降の研究課題を明確にすることも、最終年度における課題となった。その大要は、次のごとくである。 (1)ミクロベ-スの総和としての生産性概念に対し、「社会的生産性」概念は十分に有効性をもつこと、あるいは、この概念設定は社会的生産力としての協業の生産力や直接的な生産力ではないところの教育や科学技術開発を射程に含むことが必要なことが明らかになったこと、 (2)これらの点を前提にすると、いわゆる「ネットワ-ク論」をめぐる様々な理論的接近を総括的に整理し、その上に生産性指標の内実を作り上げていく必要のあること、 (3)社会的生産性指標の展開のためには、やはりバブリックセクタ-の評価は大きな位置を占めており、とくに国際的な動向としてプライバタイゼ-ション政策の意義に着目することが重要となっており、私たちの研究は、今後、第三セクタ-方式の理論と実戦に焦点をあてつつ、この分野を開拓していく必要があると思われること、などである。
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