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1987 年度 実績報告書

ドイツ型金融システムにおける金融の証券化と国際化にかんする実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62530061
研究機関静岡大学

研究代表者

居城 弘  静岡大学, 人文学部, 教授 (80022276)

キーワード兼営銀行 / ユニバーサルバンク / ドイツ金融制度 / 銀行流動性 / ライヒスバンク / 銀行の海外進出 / 海外銀行 / 植民地銀行
研究概要

本研究は, 兼営銀行主義・ユニバーサルバンキングにもとづくドイツ型金融システムにおける, 金融の証券化・セキュリタイゼーションと国際化を, 歴史的かつ実証的方法にもとづいて, その特質と問題点を解明することが課題である. 今年度は, 主としてドイツ型金融システムが定着する国際金融的環境としての金本位段階を中心に検討した. その結果, ドイツにおいて兼営銀行制の成立と展開をもたらしたのは, 後発ドイツの工業化のための産業金融, 投資金融の必要性によるものであること, いわゆる交互計算業務と発行業務の結合に兼営銀行制の特質の核をみることができるが, それがドイツ型金融システムの特徴を刻印するのは, そのような銀行のありかたを金融市場の構造, 就中, 証券市場と手形割引市場との関連を検討することによってこそ明確化されるとした. その理由は, 銀行の長期信用供与に規定される流動性維持という課題が, 証券化の方法を不可欠としたこと, さらにそれだけでなく, 手形割引市場においても流動性問題がさしせまったこととして顕在化し, それにたいして大銀行が, 「銀行引受手形」の利用拡大により対応したことなどを解明した. さらにこうしたドイツ型金融システムが, 中央銀行ライヒスバンク政策の展開, したがって金本位制的枠組みを動揺させるにいたる道筋を示すことができた. この点は, 国際収支の周期的逆調に起因するドイツの国際的短資依存によっても増巾させられたことも明らかである. 国際化にかんしては, その規定要因を現段階でのそれと対比しつつ検討した他に, 具体的に, 銀行業務の国際化と, 活動拠点自体の国際化(海外支店設置, 海外・植民地銀行群の創出など)の現実的過程を実証的に発掘・解明し, ドイツ銀行システムのかかる国際的ネットワークがマルク国際化, ベルリンの国際金融センター化といかにかゝわるものであったかを明らかにして, 本研究の次年度でのまとめの礎を築きえた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 居城弘: 『信用理論研究』(信用理論研究学会編). 4. 61-72 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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