研究概要 |
コントローラー制度の諸問題のうち, 業績管理と予算管理システムに焦点をしぼって, 実証研究を開始した. 具体的な目的は, (1)予算管理システムが業績評価制度としてどの程度まで利用されているのか, (2)予算管理システムのなかでの事業部長・部長の位置づけはどのようなものなのか, (3)組織は, その環境・戦略に対応して, どのような目標を事業部長らに課しているのか, といった側面について, その実態と, それらの相互関係のなかに存在すると思われる管理システムの基本的なメカニズムを明らかにすることであった. 後者のメカニズムの解明は, 来年度の課題とし, 本年度は, 業績管理と予算管理システムの実態の解明までを行った. その成果は, 大まかには, 次のように要約できよう. (1)予算管理プロセスへの管理者の参加の程度ならびに権限は大である. (2)予算管理システムは, 管理者の業績評価システム, 特にボーナス・システムとある程度結びつけられている. このことは, なかんずく事業部制組織の場合にいえる. (3)管理者の業績目標は, 多様である.
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