研究課題/領域番号 |
62540001
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学・幾何学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 昇 北海道大学, 理学部, 教授 (80025296)
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研究分担者 |
諏訪 立雄 北海道大学, 理学部, 教授 (40109418)
泉屋 周一 北海道大学, 理学部, 助教授 (80127422)
清原 一吉 北海道大学, 理学部, 助手 (80153245)
山口 佳三 北海道大学, 理学部, 助教授 (00113639)
森本 徹 北海道大学, 理学部, 助教授 (80025460)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 常微分方程式系 / カルタン接続 / 自己同型群 / 積分 / 不変量 |
研究概要 |
1.k(≧2)階の常微分方程式系を含む、k階の有限型偏微分方程式系のあるクラスについて、下記のような幾何学的研究を行った。 (1)このクラスの偏微分方程式系を座標に依らない形で定式化し、k階準射影系の概念を導入した。これは、微分方程式であると同時に幾何構造でもある。 (2)k階準射影系のモデル表象代数Lを決定し、その延長gを計算した。さらに、gを用いて、k階準射影系のモデル空間を等質空間G/G^<(0)>として構成した。さらに、このモデル空間を射影空間の言葉を使って具体的に表現した。 (3)任意のk階準射影系Rに対して、標準カルタン接続Γを構成した。 (4)当面の課題は、この接続Γの基本的不変量を決定し、その曲率を詳しく調べ、幾何学的に意味のあるk階準射影系のクラスを見出すことである。 2.常微分方程式系の幾何学的積分において、完全積分可能系の積分に関するリー及びカルタンの理論が重要な役割を果す。しかし、この理論には、明確でない点が多多あるので、この理論の厳密な定式化と証明を与えた。 (1)単純リー環gに付随するリーの微分方程式及びリー演算を明確に定義した。さらにgの次数付け(gradation)を用いて、リーの微分方程式の好ましい表現を与えた。 (2)Σをカルタン系とする。即ちΣは、完全積分可能系Eをもつ多様体P上の横断絶対平行性を意味する。g(Σ)をΣの無限小自己同型の簡約化されたリー環とする。このとき、カルタンによる次の定理の厳密な証明を与えた。「Eの積分は、求積法(不定積分)とg(Σ)の単純成分に付随するリー演算によって行われる。」
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