研究課題/領域番号 |
62540040
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学・幾何学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
旦代 晃一 京都大学, 教養部, 教授 (90026732)
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研究分担者 |
笠原 皓司 京都大学, 教養部, 教授 (70026748)
伊達 悦朗 京都大学, 教養部, 助教授 (00107062)
河野 敬雄 京都大学, 教養部, 助教授 (90028134)
浅野 潔 京都大学, 教養部, 教授 (90026774)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | コーシー・コワレフスキーの定理 / ナッシュ・モーザーの定理 / ボルツマン方程式 / 算術幾何平均 / 中心極限定理 / 二重対数法則 / 高木関数 |
研究概要 |
本研究の主な内容は、微分可能多様体の上でその幾何学的構造との連関のもとで、幾何学、確率論を含む解析学を総合的な研究である。現在迄に得られた結果の大要を述べる。物理学、工学等の広い分野において極めて基本的や役割を演ずる流体力学について、流体を連続体と見なし、流れを記述する方程式の解の漸近的性質を解明することができた〔1〕。ボルツマン方程式の初期値が平衡状態に近いとき、時間的に大域的な解の一意性が示された〔4〕。コーシー・コワレフスキーの定理を一般化し、証明を簡易化することができた〔2〕。ナッシュ・モーザーの陰関数定理を見通し良く記述することができた〔3〕。複素算術幾何平均に関するコクス・ゲッペルトの定理の別証が得られた〔5〕。確率論に関連する研究としては、確率変数の乗法系に関する関数的中心極限定理と関数的二重対数法則が得られた〔6〕。一般の高木関数の性質が調べられ〔7〕、自己相似関数がルベーグ測度について絶対連続であるための必要十分条件が求められ、ニつの自己相似関数による平面充填関数が調べられた〔8〕。統計力学における2次元格子モデル、特に、可積分SOSモデルについて、局所高確率の保型的性質が調べられた〔9〕。可解SOSモデルについて、局所高確率が求められたが、それらはテータ関数の等式に関連するモジュラー関数によって記述されている〔10〕。また、特別なSOSモデルの星三角形関係、および局所高確率を求める際に有用な組み合わせ論的恒等式の証明を与えた〔11〕。以上に述べたように、本研究の内容は多岐にわたるのみならず、いずれも現在世界の学界の第一線で活発な研究が行わている諸分野における優れた成果であって、いまなお研究が続行されている。しかがって、今後の一層の発展を期待することができる。
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