研究概要 |
1.伊藤は前年度後半から引続き2重正則有向グラフDRADの解明に従事している. (1)DRADの自己同型群の1点安定部分群は対応するブロック上で忠実なこと, アダマールトーナメントの2倍化では自己同型群は非可移なこと, 正則アダマール型のDRADは4倍化出来ること等を示した. (2)DRADにはNグラフという位数v, 次数v-2k-1の正則グラフが相伴するが, それが空でなく連結でもないのはDRADが正則アダマール型のときであることを示した. (3)(16, 6, 2)型のDRADの同値類の個数が4であることを示した. これには中森(甲南大)等の協力があった. (4)(13, 4, 1)型のDRADの同値類の個数も4であることを示した. 金田(東大), 山本(阪大)の助力により, 3個に対応する位数13, 次数4の正則グラフであるNグラフのガロア群が6次の対称群であることが判明した. 残り1個のガロア群は位数6の巡回群である. (5)ランク5の自己同型群を持つDRADを決定する研究を逐行中である. 安定部分群の対可移域の個数が2のときは, GF(q), q〓3(16)の4次剰余の作る定差集合から出て来るものに限られていることが示されている. kが平方数なら, v=qは素数となり, DRADは実際に存在する. 2.北條(1)伊藤のDRADの幾何構造について引続き助言した. (2)フインスラー空間, ラグランジュ空間についての研究を続け, 或る種のテンソル野に対し, 之に随伴する接続があり, その曲率捩率テンソルがOである空間では, このテンソル野が分解することを示した. 3.田口(1)伊藤のアダマール行列プログラムの計算機利用環境を設定する作業で助力した. (2)計算機による音楽演奏の研究を続行している.
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