研究概要 |
1.伊藤は引続き2重正則有向グラフDRADの解明に従事している。 (1)ランク5の自己同系群を持つDRADで、その1点の安定部分群の対可移域の個数が2であるものは、##3(16)という素数について、GF(#)の4次剰余の作る定差集合から出て来るものに限られ、かつその有向グラフとしての構造はサイクロトミーから計算出来る-このことは昭和63年8月韓国釜山で開かれた国際群論会議での招待講演として発表した。(2)アダマールトーナメントHTをDRADとして考察している。最大の問題は存在問題であるがそれに挑戦している。これが肯定的に解決されるとアダマール行列の存在問題も同時に肯定的に解決される。HTのパラメタをv=4λ+3,k=2λ+1,λとする。まずλが偶数のときに限れることを注意した。λが偶数のときには、2を法として考察することにより、GF(2)上の位数3の直行行列Bで、そのスペクトラムが(###)、WはGF(4)の原始元、となるものが得られる。その様なB達は直交群Ωv(2)のなかで1つの共役類を作る。Ωv(2)の行列のうち各行のハミング重さが4を法として1に合同であるものは指数2^<k-1>(2^k-1)の部分群H(v)を作る。H(v)のなかでBに共役な元の対角線は0である。したがってそれを(0.1)行列と見放すとラウンドロビントーナメントである。ともかくHTの存在問題はH(v)の特定の位数3の元の作る共役類の問題であることが確立された。2.北條(1)伊藤のDRADの幾何構造について引続き助言した。(2)フィンスラー空間ラグランジュ空間についてその研究を続け、エネルギー積分の変分の利用を考究中である。3.田口(1)伊藤のアダマールトーナメントプログラムの計算機利用環境を設定する作業で助力した。(2)計算機による音楽演奏の研究を続行している。
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