研究分担者 |
渡辺 清 神戸大学, 教養部, 助教授 (60091245)
中村 昌稔 神戸大学, 教養部, 助教授 (80031102)
高橋 典大 神戸大学, 教養部, 教授 (00031295)
竹内 康滋 神戸大学, 教養部, 教授 (80030336)
木村 郁雄 神戸大学, 教養部, 教授 (80031293)
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研究概要 |
1.自励系の常微分方程式が有界な解を持つと, Zornの補題より極小集合が存在することが示される. 極小集合の構造はよくわかっていない. 極小集合の研究は, コンパクト空間上のminimal flowの研究に帰着される. このminimal flowに種々の性質を仮定して, その条件を満たすものの構成及び分類は興味ある研究課題である. πを距離空間X上のminimal flowとする. xεXが正規な点であるとalmost automorphic pointであり, その点における次元は1次元である. さらにX内の各点が正規な点であると, πは同程度連続であり, 実数の部分群である, その固有値の全体は有理数体上1次元である. このことを使うと, 各点が正規である点であるminimal flowはmoduleが有理数体上1次元である概周期関数のhullと同型である. 2.概周期関数はBebutov systemの中で考えることによって, そのhullはコンパクトで同程度連続なminimal flowになる. このとき, このminimal flowの固有値の全体は概周期関数のmoduleになる. このことを, 常微分方程式論によくでてくる一様に概周期的 な関数に拡張する. すなわち, fをR^n×RからR^nへの関数とし, 任意のコンパクト集合KCRnに対して, fはK×Rで一様連続であり, x〓R^nを固定するとf(x・)が概周期関数となるとき, fを一様に概周期的であるという. この場合も拡張されたBebutov systemを考えることにより, コンパクトな同程度連続なminimal flowとなり, そのmoduleが固有値の全体と一致する. 3.非自励系の常微分方程式から定まる解空間は, 拡張されたBebutov systemを考えることにより, 力学系の公理を満たすようにできる. この場合, base spaceがコンパクトなminimal flowで解が一様安定であるとき, その極限集合は極小集合である. このことより, 一様安定な解の極限点より出発する解は回帰的な関数であることがわかる.
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