研究分担者 |
土井 幸雄 福井大学, 教育学部, 教授 (50015765)
黒木 哲徳 福井大学, 教育学部, 教授 (90022681)
三上 俊介 福井大学, 教育学部, 助教授 (00126640)
下村 宏彰 福井大学, 教育学部, 教授 (20092827)
山口 光代 福井大学, 教育学部, 教授 (50029518)
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研究概要 |
測度に値をとる拡散過程は, 人口の増減や集団遺伝学における遺伝子頻度の時間発展を記述するモデルとして現れる. これらは非線形偏微分方程式のあるクラスを確率論的手法を用いて解析することに対応し, 最近様々な研究がなされている. 報告者は分岐拡散過程の道の性質について調べた. これは人口の増減と移動を記述する分岐ブラウン運動を一般の測度に値をとる確率過程に拡散したものと考えられる. X(t)=X(t,dx)を1R^d上の分岐拡散過程, Y(t)=Y(t,dx)をその滞在時間とする. d≧3であればルベーグ測度より出発するX(t), Y(t)が良好な挙動を示すが, d≧2ではそうでないことがDawson, Iscoe等により調べられた. これはt→∞としたときの挙動であるがdが小さいと道の滑らかさが期待できる. 例えば今野-志賀氏はd=1の時X=(t)が連続な密度をもつことを示した. そこでY(t)が連続な密度をもてばそれを用いてY(t)のt→∞での挙動を記述することが期待できる. 又ランダムな測度が密度をもつことは面白い性質である. 得られた結果は次のものである. 1.d≦3とする. d=2, 3ではX(o)の滑らかさを仮定する. このときY(t)は連続な密度Y(t,x)をもつ. 2.d和=2, 3で一般のX(o)に対して, Y(t,x)は下半連である. 3.d=1でX(o)がアトムをもたなければY(t,x)はXについて微分可能である. 4.d=1ではY(t,x)のt→∞としたときの極限分布が求まる. またY(t)の大数の法則・中心極限定理がY(t,o)を用いることにより証明される.
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