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1987 年度 実績報告書

並列型計算機による数値天文学

研究課題

研究課題/領域番号 62540182
研究機関東京大学

研究代表者

杉本 大一郎  東京大学, 教養学部, 教授 (10022592)

研究分担者 江里口 良治  東京大学, 教養学部, 助手 (80175231)
川合 敏雄  慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (30146724)
キーワード並列型コンピュータ / 数値天文学 / 重力多体問題
研究概要

コンピュータの世界では, 第2次イノベーションとして, 並列化の方向が研究されている. 天文学のシミュレーションで, そのような並列型計算機をうまく使うことを考察し, 試みた. 日本でさしあたり使えるものは, 分担者が慶応大学で開発しているPAXである. それは32個のプロセッサーからなる.
具体的な問題としては, 球状星団の星を重力多体初期値問題として積分することを試みたが, 32個のプロセッサーでは必ずしも能率は良くない. 遠達相互作用と, 星の分布密度のちがいによる時間スケールの差異が問題になるからである. むしろ, PAXは近接的に情報が伝播していく流体力学の計算に向いているようである. しかし, もう一つの考え方として, 全く同じ計算を多数個に同時進行させるという場合がある. これはアンサンブルを同時に計算し, アンサンブル平均をまとめて表示しようとするものである. 実際には重力の一次元シートモデルで検討を進め, 現在, 計算機に乗せる前の段階にある.
一方, 米国でシンキング・マシン会社が64,000個のプロセッサーを持つコンネクションマシン(CM)を製作し納入し始めている. 日本人では, まだ使った人がなかったものだが, 幸い, プリンストン高等研究所のP.Hut教授を研究連絡を続けていたおかげで, 彼の紹介でその1/8モデルを試用させてもらうことにこぎつけた. 実際には, 代表者杉本の指導する大学院生の牧野淳一郎がアメリカのシンキング・マシン会社へ出かけて試用したものである. 計算した問題はツリー構造のアルゴリズムによる多粒子系の重力場である. その性能は下位のスーパーコンピュータに匹敵するものであった. この種のむしろインテリジェント・メモリーの集合体のような計算機は, 新しい局面を開くものとして有望なようである.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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