1.銀河磁場 渦状銀河の磁場の配位が双対称渦状(bisymmetric Spiral)であることが電波の偏光面分布から分かって来た。大部分(80パーセント)の渦状銀河がこのような磁場構造を持っていることから、直ちに微分回転による巻き込みの問題が出てくる。本研究では、発電方程式(dynamo equation)を星間磁場の乱流拡散と銀河円盤とハローの3次元構造を考慮してこの問題を解決した。つまり、微分回転できつく巻き込まれた磁場を銀河面の垂直方向に流し、そのあと空いたところを発電作用でつくる巻き込みの緩い磁場で埋めあわせるわけである。 2.銀河中心核のガス体のダイナミックス 外場にある回転ガス楕円体の非線形運動を正確に追跡する方法を開発した。銀河中心核における磁化した回転ガス体、爆縮時における回転中性子星の重力波放射とその反作用、銀河潮汐力における星間ガスの重力収縮を調べた。 3.巨大分子雲による恒星の無秩序加速 恒星と巨大分子雲の重力相互作用を最接近近似法を用いて解いた。星の無秩序加速が從来考えられていたほど能率のよくないことを見出した。巨大分子雲が星の運動を乱してもそのエネルギーのおおくの部分は星の平均位置を変えるのに使われ、移動先における銀河円運動からのずれ(速度分散)は小さくなってしまう。
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