研究概要 |
宇宙線強度の長期観測を目的として, 1987年3月に6階建て建物の屋上の新観測室に仁科型電離箱を移転, 設置し連続観測を始めた. 長期にわたって安定した観測を継続するため, パソコンFMR70HDを導入し, 安定化システム開発のための予備実験を開始した. まず最初に, これまで記録されていなかった気圧データを取り入れることにした. このため, 半導体気圧センサーを用いて気圧・電圧変換装置をつくりディジタルボルトメータを通して, パソコンにディジタルデータとして取り入れた. インターフェイスとしてはGPIBを用いている. 気圧値は, 水銀気圧計により更生しているが, 時季が高気圧の卓越する冬場にあたったのでまだ十分でない. 今後さらに検討を要する. 現在のシステムでは, データは専用の記録装置により紙テープに打ち出されている. これを, 汎用のパソコンを用いてフロッピーディスクにデータを記録するシステムをつくりあげるのが目的である. これによって, データの監視が容易になるし, システムの変更も自在である. 新しいシステム構築の第一歩として, 現行のディジタル記録と平行してペンレコーダによるアナログ記録を行っている段階である. 同時に気圧記録システムも稼働させ, 気圧効果係数を求めた. まだ統計精度が悪いので, 今後データを増やし, 係数を決定したい. 本研究は1年間でまとめるべく計画されたが, 精度の向上をめざして, 次年度に継続する必要があり, 昭和63年度も研究計画調書を申請した.
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