研究概要 |
^<44>Tiの分子的構造がα+^<40>Caクラスター模型を用いて束縛状態から高いエネルギーの散乱状態まで研究された. α-^<40>Ca間相互作用として現象論的ウッドサクソンの2乗型ポテンシャル及びHNYforceのfoldingポテンシャルが用いられた. ^<44>Tiの基底帯からE_α〓100 Mevのα+^<40>Caの散乱の高いエネルギー領域までα+^<40>Caクラスター模型により統一的に説明されることが明らかになった. ^<44>Tiの基底帯はcompactなα+^<40>Ca模型をもつ, 相対運動の励起した高次節帯は融合反応のoscillationsとして現われ, 発達したα+^<40>Ca分子的構造をもつ. 我々によってその存在が予言されているK=O_1^-帯は穀着て構造と分子的構造の中間の遷移的性格をもつことが明らかにされた. 高次節帯及びK=O_1^-帯も共にanti-strechingを示し, 高スピンにあるにつれて穀的性格が強まり, 同一回転帯の中でも分子的構造から穀的構造への構造変化が見られる. これは^<20>Neでは見られなかった^<44>Tiでの新しい特徴である. α+^<40>Ca散乱で見られる後方角異常のメカニズムが解明された. 後方角異常は^<44>Tiのα+^<40>Ca分子的構造の相対運動が2個励起した第2高次節帯及び〓パリティーの高次節帯によって引きおこされていることが明らかにされた. α+^<16>Oの後方角異常と比較し, 大きな差がみられる. 更に, 高いエネルギー領域での虹散乱も解析し, 実験値の角分布がよく再現されることが明らかにされた. α+^<40>Ca融合反応断面積のsillatconsのメカニズムが半古異的推像により研究され, 内部波と外部波のdestructive interferencesによるとして理解されることが示された. こうして, ^<44>Tiのα+^<40>Ca分子的構造の観点による理解は大きく前進した. 今後, ^<40>Caのcore励起及びスピン軌道力をとり入れたクラスター模型による研究を進めることが必要である.
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