研究課題/領域番号 |
62540239
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松山 奉史 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (50027463)
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研究分担者 |
山岡 仁史 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80026004)
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キーワード | ジアセチレン / ポリジアセチレン / トポケミカル重合反応 / 放射線重合 / 固相重合 / 配向性高分子 / 高分子単結晶 / 相転移 |
研究概要 |
1.ポリジアセチレンはジアセチレンモノマ-がそれ自身の単結晶中でトポケミカルに固相重合反応することによって得られる一次元配向性高分子単結晶である。重合反応が起きるかどうかはモノマ-単結晶の格子定数がボ-マンの条件とよばれる経験則を満たしているかどうかに依るが、同じモノマ-結晶でも結晶成長時に用いる溶媒によって結晶形が変化しボ-マンの条件からはずれる場合があることが知られている。本年度は側鎖に2個のカルバゾ-ル基を含むDCHモノマ-単結晶およびDCHの一方の側鎖をメチルテレフタロイル基としたCTPHDモノマ-単一結晶を溶媒をかえて作成してみたがこれらには溶媒による結晶形の変化は認められず、したがってこれまで得られ報告してきた成果内容にはどんな変更も加えることはないことが明らかとなった。また、この研究の過程で、用いる溶媒の純度が高ければ高いほど得られる単結晶も大型のものになるという知見が得られた。 2.近年ポリジアセチレンは有機非線形光学素子への有望な素材の一つと考えられており、固相重合を利用した配向性高分子単結晶薄膜の開発が急がれている。ジアセチレンモノマ-のLB膜から出発する方法が一般的に考えられているが、本研究では無機・有機複合化合物結晶である低次元性のビスアルキルアンモニウム金属ハライドまたはアルキレンジアンモニウム金属ハライドを利用してアルキル基またはアルキレン基をジアセチレン基にかえることによって配向性ポリジアセチレン単結晶薄膜を合成する新しい方法を提案した。この方法によれば、無機部の金属ハライドがもつ強磁性や強誘電性などの性質と組み合わせた新奇物質を創造できる可能性もあり、クリスタルエンジニアリングの観点からも興味深い方法である。
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