研究課題/領域番号 |
62540247
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
米満 澄 東京都立大学, 理学部, 教授 (10087033)
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研究分担者 |
汐崎 郁代 東京都立大学, 理学部, 助手 (10087166)
坂本 功 東京都立大学, 理学部, 助手 (80094267)
佐藤 英行 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80106608)
SATO H. Associated professor
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | ポイント・コンタクト・スペクトロスコピ- / NdCu_6 / 非線形抵抗 |
研究概要 |
粗動部がパルスモ-タ-とネジ、微動部が2個のアクチュエ-タ-からなる、ポイントコンタクトスペクトル(PCS)装置を試作した。粗動部は1パルスで垂直方向に1μm動くことができる。垂直方向には積層形アクチュエ-タ-により、最大スパン±1.5μm微動可能であり、水平方向には、バイモルフ形のアクチュエ-タ-により最大スパン±3μm微動可能である。 この装置により、LaCu_6を参照化合物としてNdCu_6のPCSを測定した。NdCu_6のNdイオンの4f電子は結晶場によって分裂している。試料はいずれも十分大きな抵抗比をもっており、測定温度(1.6Kー10K)では、拡散領域にあるので、分裂準位間の遷移を伴う非弾性散乱の効果がPCSによって観測されることが期待された。しかしながら、NdCu_6はTc=5.9Kに、急激な電気抵抗の温度変化を伴う磁気変態があり、磁気変態の効果と、非弾性散乱の効果とを見分けることが必要になった。我々はHolmとVerkinの式を使って、磁気変態がある場合のPCS信号のsimulationをおこない、次の点を明らかにした。磁気変態温度直下のような、比抵抗の温度変化が大きい部分では、 1.Tcより十分低温で、試料純度が高く、接点が非常に小さいと負の微分抵抗が生じ、PCS曲線に不連続が現れる。 2.Tc以下でも温度が高いか、または残留抵抗が大きいと、大きな正のピ-クと、大きな負のピ-クが現れる。 3.さらに比抵抗が大きくなるか、温度が高くなると、負のピ-クがちいさくなる。Tc以上では変化は全く見られなくなる。 実際に測定を行った56例中の磁気変態の効果が測定にひっかかっている疑いのあるものを除いた、11例について平均をとったところ、2mVと4mVにピ-クをもつ曲線が得られた。これらは、中性子線回折の結果とよく一致している。
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