研究概要 |
負の誘電異方性をもつネマティック液晶に電圧を加えると, あるしきい値以上で空間的に規則正しい二次元ロール状パターンが顕微鏡下で観測される. これはウィリアムズドメントと呼ばれ, 一方向に配列した液晶構成分子の空間的配向変化を反映した巨視的秩序構造で非平衡系において現れる典型的な散逸構造である. 我々は最近この静的パターンに加える電圧をさらに大きくしていくとある値以上でウイリアムズドメインのストライプパターンが振動する, 空間的にも時間的にもコヒーレンスの高い秩序構造を見出した. この構造には二種類の振動様式があり非常に興味深い現象である. 本研究はこの新しい秩序構造の定常状態におけるパターンの振動振幅, 周期等の挙動, 空間相関, ゆらぎ等を詳細に調べ, このリミットサイクルの動的構造を明らかにした. さらに現在その乱流化過程を研究中である.
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