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1989 年度 実績報告書

有限量子スピン系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540261
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

小口 武彦  長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70016137)

研究分担者 北谷 英嗣  長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70186245)
キーワード量子スピン系 / ハイゼンベルグモデル / Resonating valence bond / 転送行列法 / ±Jモデル / 臨界指数η / Dual変換 / Coherent-anomaly method
研究概要

(1)Resonating valence bond(RVB)の理論
Andersonが提案したResonating valence bondについて、我々はsinglet pairを最隣接間に限ることはせずに、もっと遠いスピン間にも可能とすれば有限系ではスピン1/2の場合のハイゼンベルグモデルの基底状態はRVBであることを始めて示すことができた。これはフラストレ-ションの有無に限らず、また結晶型、結晶の次元にもよらない。これにより反強磁性体の基底状態はネ-ル状態かRVBかという疑問に終止符が下された。この論文は国内外の研究者の注目を集め、現在RVBに関する多くの研究がなされている。
(2)転送行列法による±Jモデルの臨界指数η
単純立法格子上のスピングラスの±JモデルをL×L×Nの格子(L=2〜5、N【similar or equal】10^3)に対する転送行列を作り、相関関数の減衰の計算から臨界指数ηを求めた。その結果臨界温度をkTsg/J=1.2としたとき、η=-0.26±0.03となった。この結果はモンテカルロ法によるη=-0.22±0.05や高温度開法によるη=-0.25±0.17と非常によく一致する。
(3)Dual格子に対するCAM理論の適用(CAM)
正方格子の表、裏格子はともに正方格子である。それらの温度をT、T^*とし、分配関数をZ(T)、Z(T^*)とする。dual変換によってZ(T^*)はZ(T)の関数として表わすことができる。したがって表格子においてZ(T)から熱力学関係式でエネルギ-E(T)、比熱C(T)を求めると、dual変換によって裏格子のE^*(T^*)、C^*(T^*)が計算される。これらにCAM理論を適用して比熱の臨界指数を求めた結果は、比熱はlog発散する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Kitatani: "The Critical Exponent η of the Three-Dimensional ±J Ising model by the Transfer matrix method." J.Phys.Soc.Jpn.58. 1131-1134 (1989)

  • [文献書誌] T.Oguchi: "Theory of the Resonating Valence Bond in Quantum Spin System." J.Phys.Soc.Jpn.58. 1403-1415 (1989)

  • [文献書誌] T.Oguchi: "Coherent-Anomaly Method Cupplied to the Lattice Obtained by the Dual Transformation in the Ising Model." J.Phys.Soc.Jpn.58. 3033-3036 (1989)

  • [文献書誌] H.Kitatani: "Cooperative Dynamics in Complex Physical Systems" Springer,ed.H.Takayama, (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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