研究概要 |
重いフェルミ粒子系超伝導体URu_2Si_2,UPt_3の試料の作成とNMR測定をおこなった. これらはf電子系超伝導の機構を探る試料であり超伝導転移温統(Tc)を含む広範囲にわたる温度でのNMR測定は前記に対してはもとより, 磁性を含む電子状態の解明に重要な知見を与える. 両者共超伝導エネルギーギャップはフェルミ面の線上で消えている異方的なものである事がわかった. ただしURu_2Si_2についてはちょうど線上でかどうかは広範囲にわたる磁場変化のもとでのNMR測定(ナイトシフト, 核スピン格子緩和時間)が必要で来年度おこなう予定である. これらのNMRは^<29>Si,^<195>Pt核についておこなったが, いづれも観測にはそれほど有利な核とはいえない. 比較的信号が弱く, しかもUPt_3,URu_2Si_2の低温から室温までの緩和時間の大きさの変化は5ケタにもおよぶので実験の精度をあげるにはコンピューター制御による信号平均化処理をおこなわなければならない. 2,3のトラブルがあったが初年度前述の計画はうまくいったので, URu_2Siについて外部磁場をかえてNMRをおこなう.
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