重いフェルミ粒子系超伝導体URu_2、Si_2及びUPt_3の試料の作成とNMR測定をおこなった。これらのf電子系での超伝導の機構はまだ未解決であり、かなり未知の部分を含む。したがって今回測定した^<29>Siと^<195>PtのNMRのデータ(ナイトシフト、核スピン格子緩和時間)は重要な知見を提供出来た。前記のナイトシフトと核スピン格子緩和時間の超伝導転移温度を含む温度変化は非常に重要であり、その結果両系とも、超伝導エネルギーギャップは、フェルミ面の線上で消えている事が判明した。より決定的にするには0.3K以下での測定が必須であるが、この温度領域では試料の不純物に起因する緩和時間の飽和現象がおこり、試料入手を含めてこれは今後の問題となる。62年度に購入した信号平均化処理及びコンピューターによるテータ処理で長時間にわたる測定結果の精度が飛躍的に向上した。
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