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1988 年度 実績報告書

核比熱及び電子系の比熱測定によるフラストレート系の低温励起と相転移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540268
研究機関九州大学

研究代表者

竹田 和義  九州大学, 工学部, 助教授 (10029548)

研究分担者 瓜生 典清  九州大学, 工学部, 教授 (60037702)
出口 博之  九州大学, 工学部, 助手 (30192206)
キーワードフラストレート系 / 三角格子磁性体 / スピン液体 / 新しいユニバーサリティクラス / 低温比熱 / 基底状態 / 相転移
研究概要

1.超低温に亘る多目的クライオスタットの完成
この目標は現在完成の半ばにある。^3He-^4Heの希釈冷凍機の手づくりを開始し、外部の循環系については組立てを終える段階にある。しかし測定には従来の^3Heクライオスタットを用いて実験結果を得つつある。
2.三角格子磁性体物質によるフラストレート系の基底状態と低温励起に関する実験:VX_2(X:Br,Cl)のV^<57>の超微細構造による核比熱の値から、スピンの縮みを見積もる試みを続行したが、1k以下の温度域で特に増大する常磁性不純物の影響を取り除くべき実験上の問題が生じた。特に三角格子系LiNiO_2K場合は、その効果が大きく、基底状態を追究するには、不純物を含まない良質の試料が望まれ、目下その努力をしつつある。
3.積層三角格子反強磁性体などにおける相転移と新しいユニバーサリティクラスの存否を問う実験:VX_2シリーズで比熱の臨界指数がα=0.59と非常に強いことを見出した。これをより確かなものとすべく測定を続行したが、試料のわずかな不純物が、発散をにぶらせ、系に本質的と思える値までは追い込めていない。又他の試料例えばCsMnBr_2等で、その一般性を求めるべき測定を行ったが、系の一次元性が強くてαは決定し難い(定義しにくい)状況である。
4.本研究遂行の途中で発表された高温超伝導の発現機構の中に、アンダーソンが最初に量子フラストレート系で提唱したRVB状態を基礎におく論文が数多く出つつある。我々の研究の流れもRVB状態を追究する立場にあり、これを有機ラジカルに求める方向で、新しく研究を展開させはじめた。究極的には二次元量子スピン系に電気的ホールを導入することを目指すが、今年度はトリフェニルフェルダジルの低温磁性を明らかにすべく低温比熱帯磁率の測定を行い、その次元性と量子性を確認した段階である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Takeda;H,Deguchi;T.Hoshiko;J.Yamauchi.: J.Phys.Soc.Jpn. (1989)

  • [文献書誌] H.Deguchi;K.Takahashi;K.Kubo;K.Takeda.: J.de Phys(Suppl). (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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