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1987 年度 実績報告書

電子・原子分子衝突と陽電子・原子分子衝突との比較実験

研究課題

研究課題/領域番号 62540276
研究機関東京大学

研究代表者

末岡 修  東京大学, 教養学部, 助教授 (00012378)

キーワードe^+ビーム / 非弾性衝突 / TOF法 / 全断面積
研究概要

陽電子(e^+)ビームのエネルギー巾を狭くする実験は本研究の計画通りに遂行された. すなわち, 弱いRI線源を用い, TOF法で作られたビームに対して, TOFスタートパルスでゲートしたパルスを偏向板にかける方法をとった. 数eVのビームに対しては巾0.5eVに, 10〜30eVに対しては巾1eV程度のビームが作られた. このエネルギー巾を狭くする方法は始めて開発されたもので, 類似して作られた電子(e^-)ビームに対しても適用され, 同程度の成果が得られた. このようにして得られたe^+およびe^-ビームは原子分子に対する非弾性衝突実験に用いられる. 我々はO_2分子のSchunain-Runge励起バンドに対するe^+とe^-ビームの衝突断面の相異を測定した. これについての研究はすでに論文にして投稿中である.
本研究のもう1つのテーマであるe^+およびe^-ビームの原子分子に対する全断面積の比較については, 我々のデータも含めて世界で今まで発表されたデータもまとめてみた. これも1987年の国際e^+ワークショップで発表した. 従来の我々のデータは400eVまでで精度的にも不十分であった. TOF装置の飛行管の長さを従来のものの4倍にし, 最高エネルギーは2000eVまで高くできる装置に改造した. まだこの新装置の使用テストの段階である. 近々本格実験も進むものと思われる. 試料気体はHe,Ne,Ar,Kr,Co,Co_2, N_2, CH_4, SiH_4, NH_3, H_2o等々多くのものについて行なう. 注目点はe^+とe^-の全断面積がほゞ一致するエネルギーを求めることで, なぜ試料原子分子依存性が出るのかである. ボルン近似の扱いが原子核に近づきにくいe^+とそうでないe^-とでどう異なるのかを注目しつつ実験していく.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] O. Sueoka and M. Yamazaki: J. Phys. E. (1988)

  • [文献書誌] O. Sueoka Ed. by J.W.Humberston: "Atomic Physics with Positrons論文名 Total Cross Sections and Inetastic Cross Sections" Plenum Press, 41-54 (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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