研究課題/領域番号 |
62540294
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小田 仁 岡山大学, 理学部, 助手 (50127552)
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研究分担者 |
鈴木 功 岡山大学, 理学部, 助教授 (60033198)
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キーワード | 西南日本 / フィリピン海プレート / 南海トラフ / インバージョン / 地殻底地震 / 海洋地殻 / guided wave |
研究概要 |
西南日本、特に中国・四国地方の地震波速度構造を調べるために、高知県香美郡香北町において臨時地震観測を行った。得られた観測デ-タと本大学の観測設備及び気象庁や高知大学で得られた地震デ-タを用いて連度構造の解析を行った。 1)三次元インバ-ジョンのおもな結果は次のとうりである。四国下の30〜40kmの深さにP波速度7.6〜7.8km/sのHigh-V領域が存在し、これは通常の最上部マントルの速度と一致する。40〜50kmの深さでは、7.0〜7.2km/SのLow-V領域が存在する。これは、海洋性地殻第3層の速度と一致するので、海洋性地殻起源のもであると考えられる。さらに、50km以深では、7.9〜8.1km/SのHigh-V領域が存在し、これがフィリピン海プレ-ト(PHSプレ-ト)と考えられる。このHigh-Vは、南海トラフ付近の8.0km/S層や中国地方のSoSp変換面と連続的につながる。また、海洋性地殻であるLow-Vは、南海トラフ付近の海洋性地殻と連続的につながるが、中国地方では、その存在は明らかでない。したがって、PHSプレ-トは、南海トラフから中国地方まで低角に沈み込んでいると言える。 2)四国地方の地殻底地震は、最上部マントルのHigh-V領域に発生するが、その地震帯の北端に位置する地震は、海洋性地殻内に発生しているように見える。 3)備後水道・四国西部で40〜60kmの深さに発生する地震を、岡山や臨時観測点で記録すると、P波初動(P1相)の数秒後に顕著な後続相(P_2)がみられる。同様に、S波初動(S)の相後に(2)が見出できる。しかし、それ以外の地域・深さに発生する地殻底地震には、P_2、S_2相は見られない。P_1、P_2、S_1_2、S_2相のみかけ速度はそれぞれ8.1、6.8、4.6、3.9km/Sであった。このP_2、Sは、海洋性地殻内を伝わるguided waveであることがわかった。このことは、四国中央部から西部にかけて海洋性地殻が分布することを意味し、三次元インバ-ジョンの結果とも調和する。
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