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1987 年度 実績報告書

T_1→Sm吸収スペクトルの測定

研究課題

研究課題/領域番号 62540313
研究機関東北大学

研究代表者

菊地 公一  東北大学, 理学部, 助手 (10004433)

キーワードT→S吸収 / T-T吸収 / 項間交差 / 逆項間交差 / 励起緩和 / 段階的2光子励起
研究概要

1.T_1→Sm吸収スペクトルを近赤外光領域のみならず可視光領域でも測定できるようにするために, フラッシュランプ励起の色素レーザー装置を組立てた.
2.その色素レーザーを用いた結果, 9, 10-ジブロムアントラセンのT_1→Sm吸収スペクトルを500〜1000nmの範囲で測定することができ, 新たに700nm, 580nm付近に吸収極大を見出した. なお, 520nmより短波長側でT_1→Sm吸収は観測されない.
3.9-ブロムアントラセンの場合, T_1→Sm吸収スペクトルは1000〜500nmの範囲で観測されなかった. そしてTn状態から何らかの速い無輻射失活が起るという興味ある知見が得られた.
4.アクリジンの励起分子に特徴的な性質はS_2(n, π^*)状態の寄与の程度によって決まるが, 未だS_2(n, π^*)状態を直接観測した例はない. そこでT_1→Sm吸収を測定することを試みたが成功しなかった. この場合もTnからの速い無輻射失活過程がある.
5.9-メチルアクリジンの場合, Tnからの無輻射失活の寄与はアクリジンに比べて小さいが, やはりT_1→Sm吸収を観測できなかった.
6.以上の結果から, T_1→Sm吸収スペクトルを測定するためには(1)臭素やヨウ素などの重原子を含み, (2)反応性が低く, (3)T_1→T_2吸収強度の大きい分子を用いる必要があることが明らかとなった.
7.本研究を発展させるための知見を得るために今後, T_1→Sm吸収を(1)ブロモホルムのような重原子を含む溶媒中で, (2)臭素化アクリジンについて, (3)T_1→T_2吸収強度の大きな9, 10-ジクロルアントラセンについて測定することが必要である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福村 裕史: Journal of Photochemistry and Photobiology.A:Chemistry. 42. 283-291 (1988)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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