研究概要 |
本研究は発癌プロモーターのアプリシアトキシン類, および抗発癌プロモーター活性を有する14員環ジテルペンの合成を目的としたものである. 1.4,8,13-ジュバトリエンー1,3-ジオールの合成研究, 標題物質のC_<14>,C_1〜C_6のセグメントを合成するため, マンニトールから1-アルコキシー2-メチルー2-ペンテンー4,5-ジオール(1)を合成した. 5位を脱離基に変換後, 2-アルコキシプロパン酸エチルと結合させようとしたが, 目的を達しなかった. そこで1を4,7-ジアルコキシー2,6-ジメチルー2,5-ヘプタジエン酸エチルとし, 現在2,6-ジメチルー2,4,7-トリアルコキシー5-ヘプテナール(2)への変換を行っている. 一方, C_7〜C_<13>のセグメント合成のため, ジヒドロリモネンを(R)-3-イソプロピルへプタンー1,6-ジオールとし, 5-イソプロピルー6-(フェニルスルホニル)ヘキサンー2-オール(3)への変換を行っている. 2,3が合成できたら, これらをカップリングさせてアセチレン誘導体とし, 13,14位のE二重結合を導入する予定である. 2.デブロモアプリシアトキシンの合成研究. C_3〜C_8に対応するセグメントとして(R)-6-ベンジルオキシー3,3,5-トリメチルー2-ヘキサノン(4)を合成した. 一方C_9〜C_<13>のセグメントとして(2R,3R,4S)-3,5-ジヒドロキシー2,4-ジメチルペンタナル誘導体(5)を合成した. 4と5のアルドール縮合で, 相当するケトールの混合物を得, 現在その立体配置を検討中である. また, 芳香環部分(C_<14>〜C_<21>)をマンニトールの不斉を利用してキラル合成すべく, クライゼン転位, アルドール縮合などを用いる経路を模索中である. 今後これら三つのセグメントを順次結合させて, デブロモアプリシアトキシンのC_3〜C_<21>の部分の合成を完了する予定である.
|