研究概要 |
A)1)クローン化した新しいホメオティック遺伝子(g-13)とcDNAクローン(c13)の全塩基配列を決定した. 塩基配列の比較及びノーザンハイブリダイゼーション, S1マッピングによってこの遺伝子の構造を完全に明らかにした. 2)発現調節領域が存在すると考えられるホメオティック遺伝子の上流C5側)に特異的に結合する蛋白がHe La細胞抽出液中に存在することをgel retardation assayで確認した. この蛋白とDNAの結合は他のホメオティック遺伝子上流のDNA断片と競合することから, 少なくともいくつかのホメオティック遺伝子の上流には同一の蛋白が結合する領域が存在すると考えられる. B)1)マウス各組織, 胎児, 分化誘導前後のEC細胞などのRNAを用いて, クローン化したホメオティック遺伝子(g-13, Hox1-1, Hox2-1など)をプローブとしてノーザンハイブリダイゼーションなどで解析し, どのホメオティック遺伝子がどの細胞で発現しているかを明らかにしつつある. 2)ホメオティック遺伝子(g-13, Hox1-1, Hox2-1, Hox2-3)にβアクチンやメタロチオネインなどのプロモーターを結合し動物細胞内で発現するリコンビナントを作製した. そのうちの1つg-13遺伝子にβアクチンプロモーターを結合したリコンビナントをNeomycin遺伝子とともに, DNAトランスフェクションでF9細胞に導入したトランスフォーマントを得た. このリコンビナントの導入の前後での細胞の形質の変化や遺伝子発現の変化を現在観察している.
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