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1988 年度 実績報告書

三大薄類クロロプラストは単一起源か、複数起源か、5SrRNA塩基配列による決定

研究課題

研究課題/領域番号 62540483
研究機関広島大学

研究代表者

李 俊益  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (20175029)

研究分担者 佐藤 幸男  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (70034634)
キーワード藻類 / クロロプラスト / 5SrRNA / 細胞内共生
研究概要

光合成真核生物の三大系統である紅藻、緑藻、褐藻の起源とその各々のクロロプラストの起源と進化について、細胞内小器官リボソームの構成成分の一つである5SrRNAを利用しその概要を明らかにした。
62-63年度を含め我々がその塩基配列を決定終了した5SrRNAは25種にのぼるが、とくに今回の作業ではクロロフィルαのみをもフシアノフォラ、緑藻鞭毛藻で、その鞭毛構造からみてもっとも原始的な緑藻とされているマシエラ類の細胞質5SrRNAとミトコンドリア由来と思われる5SrRNAの構造決定を終了した。
これらのRNA一次配列と、従来より決定されている5SrRNAを含めて合計620種の5SrRNAをもとに系統関係を求めた。方法はまず全ての組み合せについて一次配列相互の相違度をとり、WPGMA法とよばれる系統樹作成法で求めた。
その結果、全生物界における生物の系統関係、とりわけ藻類とクロロプラストについては次のようになった。真核生物の中では紅藻類がもっとも原始的である。その後、緑藻類、褐藻類の順序で出現している。緑藻類の中で今回決定したマミエラ類は、その細胞質5SrRNAがもっとも原始的な緑藻類の特徴をもち分岐も緑藻中で、一番早い事が判明した。この結果は従来の形態的知見ともよく付合する。
さらにこれらのクロロプラストやミトコンドリア5SrRNAは原核生物型の5SrRNAであり、シアノバクテリアやクロロキシバクテリアのそれに近い分岐となる。細胞質5SrRNAの結果と合せて考察すると、クロロプラストの起源は細胞内共生説に都合のよい結果となった。しかもその細胞内共生は単に一回ではなく、複数回であった可能性を強く暗示している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Park,H.Y.;Hori,H.;Suzuki,K.I.;Osawa,S.;Komagata,K.: Journal of Bacteriology. 169. 1801-1806 (1987)

  • [文献書誌] Hori,H;Osawa,S.: Molecular Biology and Evolution. 4. 445-472 (1987)

  • [文献書誌] Park.H.Y.;Hori,H.;Suzuki,K.I.;Osawa,S.;Komagata,K.: Nucleic Acids Research. 15. 365-365 (1987)

  • [文献書誌] Prk,.J.;Hori,H;Komagata,K.: Nucleic Acids Research. 1. 10358-10358 (1988)

  • [文献書誌] Yanagida,F.;Hori,H.;Suzuki,K.I.;Kozaki,M.;Komagata,K.: Nucleic Acids Research. 16. 10938-10938 (1988)

  • [文献書誌] Watanabe,J.;Hori,H;Tanabe,K.;Nakamura,Y.: Molecular Bi logy of Parasitology. in press. (1989)

  • [文献書誌] Hori,H.;Satow,Y.;(Colwell,R.R.ed): "Prospectives in nucleic acid and protein sequencing data" Oxford University Press, (1989)

  • [文献書誌] 堀寛、丸山工作 編: "分子進化系統樹と動物の起源(動物の進化" 日本放送出版協会, 45-60 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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