研究概要 |
1.ヒドラ間細胞系譜(幹細胞, 神経細胞, 刺細胞及び幹細胞より後2者への分化途上細胞)に特異的に発現するマーカーとしてのモノクローン抗体の分離:当初計画には無かったが, 幸いモノクローン抗体を分離する機会に恵まれたため, 細胞種に特異的なマーカーとして多方面に利用出来る本抗体を多数分離した. 例, 神経細胞の亜集団を認識する抗体, 刺細胞4種の中, 1種のみ, 2種, 3種, 全部を認識する抗体, 幹細胞から刺細胞への分化経路の色々な段階を認識する抗体. この中, 刺細胞前駆体細胞の4種への分化決定期前後を認識する抗体は特に興味深い. 2.ヒドラcDNAライブラリィの作製:モノクローン抗体をプローブとして細胞種に特異的に発現する遺伝子をスクリーンするため, 抽出したヒドラmRNAを鋳型としてcDNAを合成し, 更にこれを2重鎖として発現ベクターλgt11に組み込んだ. 同時に, 核酸プローブ用にλgt10に組み込んだcDNAライブラリィも作製した. 3.現在モノクローン抗体をプローブとしてλgt11のcDNAライブラリィから目的の遺伝子をスクリーニング中である. 4.ヒドラの形態形成に関与すると考えられる血小板由来の細胞増殖因子(PDGF)様物質の遺伝子をヒトPDGFのRNAプローブを用いてλファージ(charor4A)に組み込んだヒドラのゲノミックDNAライブラリィからスクリーニングし, 数個のポジティブクローを得た. 現在この遺伝子のクローニングを行っている.
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