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1987 年度 実績報告書

富士山の森林限界に生育する常緑草本植物の生理生態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540494
研究機関静岡大学

研究代表者

増沢 武弘  静岡大学, 理学部, 助手 (40111801)

キーワード富士山の森林限界 / 高山植物 / フジハタザオ / 高山植物の物質生産
研究概要

富士山の森林限界上部の高山草原には約20種の多年生草本植物が生育しているが, そのうちフジハタザオは唯一の常緑多年生草本植物である. 調査は主としてフジハタザオが最も多く分布している宝永第2火口の斜面で行った.
1.現存量
夏期に現存量の測定を行った. フジハタザオは種子繁殖と栄養繁殖の両者を行うため, 今回は種子繁殖により生じた1個のロゼットからなる単独ロゼットを用い, 生長曲線を作成した. フジハタザオは常緑素を冬期に維持しているが, この乾物量は春先の地上部の生長開始とともに急激に減少した. 地下部は年間を通して大きな変動はみられず, 地上部の生長に貢献しているとは思われなかった. したがって, 地上部生殖器官の急激な生長には, 越冬葉が大きな役割を果していることになる. 本年は, この役割が定量的に明らかとなった.
2.光合成
旧葉の光合成量は融雪後の4月から増加を続け, 7月に一度減少するが, 8月には最大値(18.6mgCO_2/dm^2・hr)を示した. その後徐々に減少するが, 地上部が越冬葉のみとなる10月においても, かなりの光合成能力(15mg/dm^2・hr)を維持していた. 冬期に雪下より取り出したロゼット葉は, わずかな(1〜2mgCO_2dm^2・hr)光合成能力を来した. 本年は越冬葉が光合成能力を維持することよりに, 春先の地上部の生長のために光合成を行うと同時に貯蔵庫の役割も果していることが明らかとなった.
現在, ロゼット葉中の糖類の定量を行っているが63年4月までには終了し63年の夏期には, ロゼット葉の切り取り実験を行い, 常緑素の役割を実験的に明らかにしたい.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 増沢武弘: 日本生態学会誌.

  • [文献書誌] 増沢武弘: 静岡大学理学部紀要. 23.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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