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1987 年度 実績報告書

ゴカイのエリスロクルオリンとクロロクルオリンの構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540550
研究機関徳島大学

研究代表者

後藤 寿夫  徳島大学, 教養部, 教授 (90035692)

キーワードイトメ / エリスロクルオリン / 三量体 / 走査透過電子顕微鏡 / X線小角散乱
研究概要

ゴカイの1種イトメのエリスロクルオリン(Ec)は4種の基本鎖I, IIA, IIB, IICが総計192本会合した巨大分子で, O_2の運搬を担っている. イトメのEcはその基本鎖のアミノ酸配列が全て決定されている唯一の巨大Ecでもある. 様々な観点からこのEc構造を詳細に調べてきたが, その一環として取組んだ本研究で以下の成果が得られた.
(1).4種の基本鎖のうち3種3本のポリペプチド鎖が(ZU)の如く鎖間と鎖内でS-S結合して3量体を形成していることが明らかになった。IIAとIIBの鎖には共に3個、IIC鎖には4個のCys残基があり、それらの全てがS-S結合している。またI鎖には2個のCys残基があるが、これらもまた鎖内でS-S結合していることが明らかになった。DTT等の還元剤で処理すると、分子量300万のEcは1.7万の単鎖に解離してしまう。従って、本研究で解明されたS-S結合の存在はこの巨大分子の構築を理解するうえで極めて重要な知見である。
(2).走査透過電子顕微鏡によりイトメEcの像が得られた. 通常の電顕では30万倍で実像が8mm程度であるが, 我々が得た実像は径が43mmの蘚明なものである. イトメEc分子の詳細な形状が明らかになった.
(3).X線小角散乱を用いた解析により, 192個の2連球体を単位とするEcの構造モデルを組み立てることに成功した. このモデルは, 我々が既に全く異なる方法で組み立てたモデル(J.Mol.Biol.(1986)190,119-123)と一致するものである.
(1)と(2)については合わせて1つの論文として現在執筆中である. (3)についてはJ.Int.Macramol.に投稿中である.
なお, クロロクルオリン(Cc)についてはそれを持つゴカイの入手経路が判り, Ccの粗調製が可能となった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Pilz, I.;Schwarz, I.;Suzuki, T. and Gotoh, T.: Journal of International Macromolecule.

  • [文献書誌] Suzuki, T.;Kapp, O. H. and Gotoh, T.: Journal of Biological Chemistry.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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