研究概要 |
1.タイムラプスビデオによる先体胞分化過程の解析 アフリカツメガエルの精細胞では, 第二分裂終了後, 小さなvacuoleが多数現れた後, 1-2日で先体胞が形成される. この過程を詳しく調べた結果先体胞の形成は小胞同士が融合する場合と一方の小胞のみ大きくなる場合の2通りあることがわかった. 2.細胞融合による分化要因の解析 細胞質間橋によってつながったアフリカツメガエルの精細胞は, 低張培養液で処理することによって細胞融合し, その後, 先体胞も融合して一個の大きな先体胞と2個の核を持った精細胞になる. 先体胞融合の過程は, タンパク合成阻害剤や微小管重合阻害剤, マイクロフィラメント阻害剤によってなんの影響も受けないことから先体胞は, 一旦完成するとそれ自身, お互いに接着し, 融合する性質を持っていることがわかる. 3.イモリとアフリカツメガエル精細胞におけるべん毛の長さの調節機構 イモリとアフリカツメガエルの精細胞を第二分裂直後から培養し, べん毛の成長を比較すると, アフリカツメガエルは6日間で平均34μm(精子べん毛とほぼ同じ長さ)に達するのに対し, -イモリでは9日目まで成長し, 平均220μm(精子べん毛の約半分の長さ)に達した. ^<35>S-メチオニンを取り込ませて2次元電気泳動後フルオログラフィーを行うと第二分裂直後にはチューブリンの強いスポットがみられるが, 2, 4日目になると徐々に強度が減少し, 6日目にはほとんど検出できなくなった. このようにチューブリン合成の期間はべん毛成長の期間とほぼ一致し, 合成速度は徐々に落ちていくことが明らかになった.
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