1.暖帯〜温帯落葉樹林に生息する種の虫瘻を採集して、外部形態の記載を行う→前年に得られたいなかった。約10種について新たに虫瘻を収集し、外部形態の記載を完了した。なお、石垣島へ出張して、亜熱帯照葉樹林の生息種についても、虫瘻を収集することができた。 2.セクションのプレパラートを作成して、細胞学的に内部形態の記載を行う→大部分の種について、セクションのプレパラートを作成して検鏡したところ、虫瘻形成には、細胞の肥大と増生の両方が関与していることが分かった。しかし、かなりの種では試料が不充分で、再検討を要する。また、組織学的・細胞学的な内部形態の記載も、まだ十分に完成していない。 3.虫瘻の各ステージのセクション・プレパラートを作成して、虫瘻の形成過程を組織学的に追求する→ごく近くで調査できる種の数種については、虫瘻形成の各ステージについて、試料を採取したが、まだセクションのプレパラート作成が完了していない。来シーズンに種数・試料数ともに増やして、虫瘻形成のパターンを分析したい。 4.成虫に虫瘻を形成させて、虫瘻の形成過程の記録をとる→すぐ近くで調査できない種の成虫に産卵させ、虫瘻の形成過程をみる予定であったが、屋外での飼育設備が充分でないため、成功しなかった。今後、更に試みる予定である。 5.アブラネシの虫瘻との比較→試料の収集はできたが、まだ比較ができていないので、今後更に研究を続ける。
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