研究課題/領域番号 |
62540586
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富田 宰臣 九州大学, 理学部, 助手 (20037196)
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研究分担者 |
三木 孝 九州大学, 理学部, 助手 (50037272)
石橋 毅 九州大学, 理学部, 助手 (50037264)
山下 明夫 九州大学, 工学部, 助手 (20037790)
小原 浄之介 九州大学, 教養部, 教授 (60038411)
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キーワード | 第三紀夾炭層 / 炭田堆積盆地 / 炭田形成史 / 古第三紀地史 / 九州北部炭田 / 第四紀地殻変動 / 逆断層 |
研究概要 |
本年度調査実施地域は筑豊炭田上津役・大分(だいぶ)両地域と宗像炭田西部地域のほか、前年に引き続き三池炭田北東部地域の調査を行った。このうち上津役地域では"基盤断層"の一つ「福智山断層」の性格について、宗像炭田では第三系新分布地について、ある程度明らかにできた。 1."基盤断層"の一つである筑豊炭田東帯の福智山断層は第四系中位段丘高位面構成層(クサリ礫層)をも切り、その落差は東落ち約4mである。この断層は第三系にたいして正断層(西落ち)であるので、明らかに後期第四紀に逆断層の活動をしたことになる。又この断層は数箇所で北西系の副次断層によって水平変位(最大約60m)を生じている。 2.宗像炭田西南方の花崗閃緑岩分布域で発見した第三紀層は砂岩頁岩より成り、大部分は紫赤色を帯び、北西方向に長い舟底状構造で長辺部は平行する2条の逆断層で境されている。九州北部炭田の多くに見られる"筑豊型地質構造"は通常、正断層で構成されており、逆断層で区画された例は他に知られていない。炭田形成のメカニズムを検討する上で重要な情報である。 3.三池炭田北東部(大牟田市北部〜北東部とその北側)に点在分布する第三系は様々の高度に位置し、基盤岩中を平行して走る東西系断層で互いに隔てられ、隣接する分布地の高度差が100mに達することもある。この落差100m以上もの東西系断層群は、西方の有明海域では次第に落差を減じ、あるものは殆ど消滅するようである。炭田主部の東縁を画する「米ノ山断層」はこれら東西方向の断層の影響は受けていない。これら互いに直交する断層の活動時期や関り合いは今後検討すべき問題である。又上記小分布地以外にも、東方山地の稜線部に残存する第三系の情報があり(未確認)、炭田堆積盆地の広がりをさらに調査を進めて明らかにしてゆきたい。
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