• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1987 年度 実績報告書

白亜紀最末期の浮遊性有孔虫化石層序と古環境解析

研究課題

研究課題/領域番号 62540594
研究機関山形大学

研究代表者

斎藤 常正  山形大学, 理学部, 教授 (90111335)

キーワード白亜紀 / 浮遊性有孔虫 / 微化石層序
研究概要

日本列島における白亜紀後期の代表的な地層である, 熊本県天草半島の天草層群, 和歌山県和泉山脈に分布する和泉層群, 福島県磐城市の双葉層群, 北海道浦幌町の活平層について, 浮遊性有孔虫化石群集の検討をおこなった. このなかで, 天草層群については, 白亜紀後期の堆積物が粗粒の砂岩などが主であるために, 浮遊性有孔虫の産出は認められなかった. 福島県磐城市の双葉層群については, 下部の足沢層から豊富な浮遊性有孔虫を産出する. しかしそれらはMarginotruucana paraconcanata,M,tarfayaensisなどで特徴づけられる, 白亜紀後期の初期のConiacianの時代のものであることが判った.
和泉山脈の三国山を中心とする地域の和泉層群は砂岩と泥岩の互層からなるが, 泥岩層の部分からRugolobigerina rugosa,Globigerinellaides volutus,G,rosebudensis,Hechtianからなる群集が検出された. これらは最後期白亜紀の群集でMaastrichtianの中期のものである. 同時代の低緯度太平洋地域の群集は, Globotruncanaなど強くKeelの発達した種で特徴づけられるが, 和泉層群の群集にGlobotruncana属の種が出現しないことは, おそらく本層群の堆積の場が浅かったためと考察される. 和泉層群については, これまで堆積の場が西から東に移動するような盆地であったことが知られている. 和泉山脈より西の淡路島の本層群から, これまでCampanian階のアモンナイトが発見されており, 今回その一つ若い時代の有孔虫群がより東の地域から発見されたことは, このような堆積の場の東方への移動を支持する. 日本では, 白亜紀最末期の浮遊性有孔虫化石群は北海道の活平層からのみ発見された. これらは, Globigerinelloides multispinata,Rugoglobigerina macrocephalaなど9種からなる群集であるが, やはりGlobotruncanaなど低緯度地域の白亜紀の代表的な種を欠き, 高緯度の群集であることを示している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 斎藤 常正: 地質学雑誌.

  • [文献書誌] 斎藤 常正,井宮 裕: 日本古新物学会 報告・紀事.

URL: 

公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi