研究課題/領域番号 |
62540614
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西原 弘訓 東京大学, 物性研究所, 助手 (90107441)
|
研究分担者 |
安岡 弘志 東京大学, 物性研究所, 教授 (50026027)
古賀 珪一 東京大学, 物性研究所, 教務職員 (40114475)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
キーワード | 粘土 / 層状珪産塩 / バーミキュライト / インターカレーション / 低次元磁性 / 帯磁率 / 磁化 / 磁気相転移 |
研究概要 |
静帯磁率や交流磁化率の温度変化の測定および低温における強磁場磁化過程の測定等物性物理学的方法を用いて粘土鉱物(層状珪酸塩)の局所構造および磁気的性質を調べた。試料としては天然の粘土鉱物のうち比較的大きな単結晶(8mmx8mmx3mm程度)で産出し層間陽イオンの置換が比較的容易に行えその密度も高いバーミキュライトを選んだ。主な結果は次のとうりである。1.米国テキサス州ヤーノ産の天然バーミキュライトに少量含まれるFe原子の状態が大部分Fe^<3+>であることを決定した。 2.天然のバーミキュライト中の層間のMgイオンを磁性イオンで置換する処理を行いそれらの帯磁率の温度変化を測定した。Mn、Co および Cu-VICの静帯磁率の温度変化はほぼキュリー則であらわされ磁性イオン間の相互作用は非常に弱かったがNi-VICにおいては静帯磁率の温度変化がキュリーワイス則となりワイス温度にして10〜20K程度の強磁性相互作用のあることを見いだした。さらにNi-VICで交流帯磁率の温度変化を測定しグラファト層間化合物におけるのと同様の逐次磁気転移によるものと思われる異常を観測した。そなわちワイス温度でわかる平均の相互作用は強磁性であるにもかからず系全体の磁気秩序は反強磁性的であり、まず2次元面(あるいは1次元鎖)が強磁性相互作用でつながりそれらが弱い反強磁性相互作用で逆向きに並ぶという低次元磁性体でよくある帯磁率のふるまいとして解釈した。 3.いくつかの試料について4.2Kで最大270kOeまでの強磁場磁化過程を調べ分子場近似で解析し、上記の帯磁率の温度変化のふるまいと一致する結果を得た。磁性イオンの含有量xを評価して磁性イオンの配置や相互作用の経路の模型を提出した。
|