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1989 年度 実績報告書

東北日本海側の中期中新世広域玄武岩の地質学的・岩石学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540617
研究機関新潟大学

研究代表者

周藤 賢治  新潟大学, 理学部, 助教授 (50143748)

キーワード東北日本弧 / 後期中新世(8〜6Ma) / 鮮明新世(4〜2Ma) / 帯状配列 / 太平洋プレ-ト / LIL元素 / 島弧横断方向での規則的変化
研究概要

東北日本弧方四紀火山岩にみられる島弧横断方向での化学組成や岩石学的性質の規則的変化を伴う帯状配列の成因は、東北日本弧下へ沈み込む太平洋プレ-トに関連したマグマの生成機構によって合理的に説明される。このことは、中新世初期から鮮新世にかけての各地質時代の火山岩の岩石学的性質と帯状配列の特徴を明らかにすることが、東北日本弧における中新世初期以降の火山活動とテクトニクスとの関連を解明するうえで、一つの重要な制約を与えることを意味している。
このような視点から、東北日本弧のほぼ中央部に産する後期中新世(8〜6Ma)の火山岩類について主要元素とRb,Sr,Nb,Y,Zrの微量元素の分析をケイ光X線法で行った。その結果、K_2O_2,Na_2O+K_2O,Rb,Srは、太平洋側に分布する火山岩から、日本海側に分布する火山岩にむかって漸次増加することが明らかとなった。これらの火山岩類は、苦鉄質斑晶鉱物組合せや岩石系列の点においても、東北日本弧の第四紀火山岩とほぼ同様な水平変化を示す。
さらに、東北日本弧の第四紀の火山帯に沿って分布する鮮新世(4〜2Ma)火山岩(12の産地から111個の岩石について)に関して同様な検討を行った。その結果、鮮新世火山岩においても、太平洋側から日本海側に分布する火山岩にむかって、苦鉄質斑晶鉱物組合や岩石系列だけでなく、K_2O,Rb,SrなどのLIL元素量が、第四紀火山岩と同様な島弧横断方向での規則的変化を示すことが明らかとなった。
これらの事実は、東北日本弧においては、太平洋プレ-トの沈み込みに関連した火山活動が、少なくても8Maあたりから現在まで継続して起っていることを示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 田村真一: "螢光線X分析装置による珪酸塩岩石中の微量元素の定量分析" 地球科学. 43. 180-185 (1989)

  • [文献書誌] 土屋信高: "A newly discovered Quaternary volcano from northeast Japan Sea:K-Arage of andesite dredged from the Shiribeshi Seamount." 日本岩石鉱物鉱床学会誌(岩鉱). 84. 391-397 (1989)

  • [文献書誌] 田村真一: "Lateral variation of major and trace elements in the late Miocene vollcanic rocks from central part of Northeast Japan" 日本岩石鉱物鉱床学会誌(岩鉱). 84. 444-459 (1989)

  • [文献書誌] 周藤賢治: "東北日本弧火山フロント側上部マントルの平均一性" 白木敬一編著・日本の高マグネシア安山岩. 168-178 (1990)

  • [文献書誌] 周藤賢治: "Lateral variation of major and trace elements in the Pliocene volcanic rocks of the Northeast Japan arc" 日本岩石鉱物鉱床学会誌(岩鉱)投稿中.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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