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1987 年度 実績報告書

スメクタイト質粘土鉱物のイオン交換と加熱変化

研究課題

研究課題/領域番号 62540620
研究機関大阪大学

研究代表者

宇野 泰章  大阪大学, 教養部, 助手 (90029702)

キーワードスメクタイト / モンモリロナイト / 交換性陽イオン / 加熱変化 / 高温型石英 / 分散着色法 / 温度変化法
研究概要

今年度の研究課題はスメクタイト質粘土鉱物において交換性陽イオンの組成が熱的性質に及ぼす影響を明らかにすることである. この目的のためにベントナイト鉱床および酸性白土鉱床の地質調査を行い, 交換性陽イオンの組成の異なる多数のスメクタイト試料を採取した. また, これらの試料の化学分析と陽イオン交換容量の測定, X線解析, 熱分析, 光学的測定および電子顕微鏡による検討を行った結果, 次のような知見が得られた.
1.同一の鉱床中のスメクタイト試料の層間イオンの組成は, 上部の地表に近い位置のものはアルカリ, アルカリ土類金属イオンの溶脱が著しく進み, 酸性化している. これに対して, 地表面から隔たった, 深部の採掘場の試料は溶脱がほとんど進んでいない.
2.三層構造中の八面体シートの同形置換の量と陽イオン交換容量の値には相関があり, 八面体Alを置換するMgが多いもの程陽イオン交換容量が大きくなる傾向が明らかになった.
3.スメクタイトの層間水の量は相対湿度に応じて顕著に変化する. またその変化の過程は層間イオンの種類によっても著しく異なることを, X線回析法により明らかにした.
4.光学顕微鏡に顕微測光装置と温度可変装置を組み合わせることにより, 層間イオンの組成と相対湿度の変化に応じてスメクタイトの光学的性質も顕著に変化することを明らかにした.
5.三層構造中のMg置換の多い試料を高温に加熱するとβ石英に類似の相を生ずる. この事実はGrim(1961)によって既に報告されているが, 今回分析電子顕微鏡によりこの相を分析したところ, これはX線解析パターンはβ石英に類似しているが, その組成はSiO_2ではなくMgAl_2Si_5O_<14>の組成を有することが明らかになった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yasuaki Uno: Proceedings of 8th International Clay Congerence. 66-70 (1987)

  • [文献書誌] 長沢敬之助 他: "日本粘土学会編, 粘土ハンドブック" 技報堂出版, 1300 (1987)

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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