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1987 年度 実績報告書

輝石の拡散定数に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540623
研究機関愛媛大学

研究代表者

藤野 清志  愛媛大学, 理学部, 助教授 (40116968)

キーワード相互拡散定数 / 輝石 / 離溶ラメラ / 分析電顕 / 不混和領域
研究概要

本研究の目的は、いまだ信頼のおける相互拡散定数D〔Ca(double half arrows)(Mg,Fe)〕の得られてない輝石において、天然の離溶ラメラを利用して加熱による組成のプロファイルの変化から、Dを求める事である。本年度はその為の方法の確立をめざして以下の事を行った。
1.分析電顕よる極微小領域の組成の定量分析法の確立
2.不混和領域を持つ拡散対での組成変化の理論計算法の検討
3.加熱試料での組成変化の解析によるDの見積り
1については、通常の薄膜法では試料の厚さによるSiO_2値の変動が見られたが、今回導入した方法によりほぼEPMA精度の定量値が0.1μm弱の空間分解能で得られた。2の計算法については、不混和領域がある場合の加熱による組成変化について、Tanzilli&Weckel(1968)の方法に基づいて拡散方程式を差分法により計算するプログラムを、FORTRANで開発した。これにより不混和領域がある拡散対での任意の場所と時間における組成の計算が可能になった。3については、離溶ラメラを持つ天然の輝石(Fe/Mg(approximately equal)0.4)を1000〜1200°Cで10〜1000時間加熱した試料につき、分析電顕で組成分析した。その結果、1100°C以上では10時間加熱ですでに組成の変動が認められた。そこで予備的ではあるが、1100°C、1000時間加熱の試料について、2の計算法でDを求めてみると、D≒9×10^<-17>cm^2/sec(1100°Cで)が得られた。この値はFe/Mg比を考慮すると従来報告されたものよりかなり小さい。
今後の課題としては, 精度よくDを求める方法の検討, 異なった加熱温度でのDから拡散の活性化エネルギーを求める, 異なった試料を用いてFe/Mg比によるDの変化を求める事にとりくむ事を予定している.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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