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1987 年度 実績報告書

光強度輸送方程式に基づく位相センシングの研究

研究課題

研究課題/領域番号 62550026
研究機関電気通信大学

研究代表者

武田 光夫  電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00114926)

キーワード位相回復 / 逆問題 / 位相計測 / 干渉計測
研究概要

干渉計測の手段を用いることができない状態下で強度情報だけから光波の位相を求める問題は位相回復問題と呼ばれ, 光学のみならずX線や電子線のような低コヒーレンス波動場の計測の基礎となる非常に重要な問題である. 位相回復問題に対する従来の研究は, 強度の非負性を拘束条件とした反復法または複素平面場上の解析接続などの数学的手法に基づくものが主流であるが, ノイズの影響を受けやすいことや解の一意性が保証されない点が実用化の障害になっていて, 多くはコンピュータシミュレーションによる原理の確認に留まっていた. そこで, 本研究では, 光強度だけでなく光強度の空間的微係数をあわせて計測することにより, 簡単な計算で解を一意に決定することができる実用性のある手法を開発し, その有効性を実験により確認した. その具体的な内容は以下の通りである.
1.波動方程式から出発して, 光強度と位相との関係を直接表現するような形式の光強度輸送方程式を導き, 境界条件として強度とその空間的微係数を与えることにより位相を一意に求めることができる新しい測定原理を提案し, その計算のためのアルゴリズムを明らかにした.
2.2次元光強度分布とその空間的微係数を測定するために, 軽量CCDカメラを精密微動装置上に搭載し前後に微小移動させてフレームメモリに光強度分布を蓄えるシステムを試作し, 空間的にインコヒーレントな純単色光源で照明された位相物体の位相を計測する実験を行い有効性を実証した.
従来の方法は光強度のみから位相を決定しようとしたのに対し, 本方法はさらに光強度の空間的微係数をあわせて測定し, より多くの情報を利用してその分だけ数学的計算と原理の簡単化をはかろうとする点を特色とする. 本研究の成果は, コヒーレンスの高い光源が得にくい電子線やX線の分野の位相計測への応用が期待できる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 市川和一, A. W. lOHMANN;武田光夫: Applied Opties.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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