研究概要 |
次世代の光応用システムにおける光回路などの集積部品として, 微小光学素子のうち平面構造, 小型, 高機能性をもつフレネルゾーンプレートを中心に今年度は次の諸点の研究を行なった. (1).広い面積(5mm^2)と高開口数を持つ斜入射配置の空間型ビームスプリツタについて高効率のための理論的検討を行ない, リニアゾーンプレート列と円柱レンズの組合せによる達成の可能性を明らかにした. (2).レーザー出射角, ファイバーへの入射角, ファイバー端面での結像状態, 最小ピッチ, 回折効率の諸点を両立させる設計上の吟味を行なった. (3).(2)の設計にもとづきHe-Cdレーザ(3250〓)を光源とするホログラフィック法によりa・si膜を遮光材としてリニアゾーンプレート列マスクを試作し, 使用波長との変換誤差に伴なう収差の実験的検討を加えた. (4).写真レクチエル法で作製したマスクを用い深紫外リソグラフィ法で高効率化した複合化ゾーンプレートにより光遅延回路を構成し, 40ピコ秒のFWHMの高速光のパルスに対し10cmの光路長変化が300ピコ秒の遅延量に相当することを検出した. (5).軟X線領域におけるリソグラフィの予備実験として, 東大核研のSR光を大気中で用い, 斜入射に伴なう形状制御, 高効率化の最適条件の検討を行なった. (6).微細等ピッチ格子の回折効率の入射角依存性に関し, フロツケブロツホの展開理論を用いた数値計算を行ない, ラメラ型格子がブラック角近傍で高効率が得られる事に関し理解的に解析した.
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