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1988 年度 実績報告書

超音波の異常散乱に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62550041
研究機関愛媛大学

研究代表者

長谷川 高陽  愛媛大学, 理学部, 教授 (10029879)

研究分担者 松澤 喜一郎  愛媛大学, 理学部, 教授 (40036182)
キーワード超音波 / 散乱 / 放射圧 / 共振
研究概要

本研究は2か年計画で実施されたもので、本年度はその最終年度に当たる。前年度において開発された散乱理論すなわち従来の如く理想的な音場(球面波または平面進行波)ではなく、有限の大きさの音源から放射される音場に置かれた球体からの散乱に関する理論について数値解析を行った。ついでこの結果を検証するため、球径および材質(ステンレス鋼・ベリリウム・鉛・黄銅・溶融石英等)の異なる各種の球について振動数1〜20メガヘルツにおいてそれからの超音波の後方散乱を測定した。その結果、理論と実験のよい一致を見たが、散乱パターンが非常に複雑になるため、異常散乱データから球物質の物性を研究する手段としてはあまり適当でないと、判断した。そこで、異常散乱の効果はむしろ球に作用する音響放射圧を測定することによって、より選択的・強調的に観測されるとの予想のもとに、円形振動子の近距離音場に置かれた固体弾性球に作用する音響放射圧の理論の導出を試み、幸いにもこれに成功した。この結果、従来の散乱研究の手法と異なり、波の不要な成分が時間平均されて消失することとなり、物性研究に必要十分な成分のみが抽出されることが確認され、測定実験もきわめて容易になることが判明した。この方法によって異常散乱の生ずる機構を調べた結果、次のような結論を得るに至った。まず異常散乱の形態は、円柱や球など物体の形状には殆ど依存しないこと、また物質の密度にもあまり依存しないが、ボアッソン比・縦波速度・横波速度およびそれらの相対関係にきわめて敏感に依存することである。その結果、異常散乱の形態は極大型・極小型・混在型・平滑型の4種に分類された。本研究ではさらに、異常散乱を支配する物理量の、前記分類にかかる閥値を決定することを試み、それを縦波速度・横波速度・ポアッソン比の3次元空間で表示することに成功した。散乱情報に関するより定量的な研究は今後の課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 長谷川高陽: The journal of the Acoustical Society of America. 83. 1770-1775 (1988)

  • [文献書誌] 長谷川高陽: The Journal of the Acoustical Society of America.

  • [文献書誌] 松澤喜一郎: The Journal of the Acoustical Society of America. 81. 947-951 (1987)

  • [文献書誌] The journal of the Acoustical Society of America. 82. 706-708 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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