研究課題/領域番号 |
62550055
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森 要 名古屋大学, 工学部, 講師 (70023207)
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研究分担者 |
大塚 昭夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60022993)
東郷 敬一郎 名古屋大学, 工学部, 助手 (10155492)
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キーワード | 高力アルミニウム合金 / 腐食疲労 / き裂進展 / 混合モード / 食塩水 / モードI進展 / モードII進展 / 防食電位 |
研究概要 |
昭和63年度は、市販の7075-T6アルミニウム合金圧延材について、モードII繰返し負荷に静的なモードI負荷を重畳させた混合負荷モードの条件で、主にモードIIのき裂進展特性を明らかにした。特に、3.5%食塩水環境の影響、印可電位の影響および圧延材の異方性の影響に注目して試験を行い、次のようなことが明らかになった。 1.モードIとIIの繰返し負荷が同位相で混合した場合、△K_<11>/△K値が極端に大きい場合を除き、引張り型(モードI)でき裂は進展する。 2.静的なモードIと繰返しモードII負荷が混合した場合、△K_<11>のある限界値(△K_<10>c)以上では、モードIIでき裂は進展し、△K_<11>c値以下では引張り型(モードI)でき裂は進展する。 3.この△K_<11>c値は、環境の影響を受け、腐食環境下で大きく上昇する。特に、圧延方向と直交する方向にき裂が進展する場合では、空中の約10MPa・m^<1/2>から食塩水中の場合約20MPa・m^<1/2>へ大きく上昇する。 4.印加電位と異方性の影響は複雑で、圧延方向にき裂がモードII進展する場合には、腐食の影響、印加電位の影響が認められない。しかし、き裂が圧延方向と直交する方向にモードII進展する場合には、印加電位の影響が認められる。すなわち、銀塩化銀参照電極に対する電位が-500mVと-1300mVの場合は、ほぼ一致した加速を示し、空中の結果より2〜5倍加速する。自然腐食の加速の程度は-500mVと-1300mVの場合と空中の結果の中間になっている。
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