研究課題/領域番号 |
62550076
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
岸 武保 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50032032)
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研究分担者 |
岸 洋子 鳥取大学, 工学部, 教務職員 (60153079)
川越 治郎 鳥取大学, 工学部, 教授 (60032009)
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キーワード | 光弾性 / 応力凍結法 / エポキシ樹脂 / 凍結温度 / 適性係数 / 転移領域 / 応力凍結サイクル / ポアソン比 / 熱応力 |
研究概要 |
本研究では、まず前年度にひき続きアラルダイトBと硬化剤HT901の配合の異なるエポキシ樹脂の光学的・力学的挙動の温度・時間依存性について明らかにするため、単軸引張クリープ試験と真直梁及び円板モデルによる種々の凍結実験を行った。次に、凍結温度の異なる凍結熱処理法の三次元モデルへの適用例として、U形環状切欠きを持つ丸棒の凍結実験を行い凍結温度の影響について検討した。また、有限要素法によりU形環状切欠きを持つ丸棒を解析し応力分布に及ぼすポアソン比の影響を明らかにした。さらに凍結熱処理過程における中実円柱モデルの温度分布と熱応力を検討し、あわせて凍結サイクルについて考察した。 (1)主剤と硬化剤の配合比(pbw)が100:30、100:20、100:15のエポキシ樹脂の転移領域は順に約15℃低くなる。ガラス状領域では配合比によらず同程度の高い適性係数が得られ、光弾性挙動も同様の傾向を示す。 凍結温度を転移領域にとった場合のスライス片の縞次数分布は、ゴム状領域の場合と同様であるが、ガラス状領域ではかなり異なっており、その主要因として初応力の影響が考えられる。 (3)ポアソン比は第二主応力の分布に大きく影響を及ぼす。 (4)加熱及び冷却過程における中実円柱モデル内の温度差は、それぞれ加熱速度及び冷却速度にほぼ比例する。 (5)凍結温度をガラス状領域にとる場合の冷却速度は、直径90mmと60mmの中実円柱の場合、それぞれ1℃/h、2℃/h程度にとれば熱応力の影響を無視できる。また、凍結温度に保つときモデル内の温度差を1.5℃程度に保持するよう留意しなければならない。 今後の課題として、硬化剤の少ないエポキシ樹脂を用いた凍結実験を行い、時間短縮と実験精度の向上について検討したい。
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